コラム~女性医学の紹介~

体外受精とは?

2026.02.25

近年、晩婚化や出産年齢の上昇を理由に、不妊治療を検討する方は年々増えており、その選択肢の一つとして「体外受精」が広く知られるようになりました。一方で、体外受精は高度な医療であり、治療の流れや妊娠率、リスクについて理解することが大切です。

不妊治療とは?

不妊治療とは、一定期間避妊をせずに性交を行っても妊娠に至らない場合に、その原因を検査し、医学的介入によって妊娠を目指す治療全般を指します。一般的には一年間妊娠が成立しない場合に不妊と定義されますが、女性の年齢が35歳を超える場合などは、より早期の受診が推奨されます。不妊の原因は女性側だけでなく、男性側、あるいは両者に関与することも少なくありません。

治療は段階的に進められることが多く、まずは「タイミング法」から開始し、次に「人工授精」へと進みます。それでも妊娠に至らない場合や、卵管閉塞、重度の男性不妊など明確な原因がある場合には、「体外受精」や「顕微授精」といった高度生殖医療が選択されます。不妊治療は単なる技術的介入ではなく、身体的・精神的負担を考慮しながら個別に方針を決定する医療です。

体外受精とは?

体外受精とは、卵巣から採取した卵子を体外で精子と受精させ、受精卵を子宮内に戻す不妊治療です。英語では、「In Vitro Fertilization」と呼ばれ、略して「IVF」とも表記されます。卵管内での受精が難しい場合や、人工授精で結果が出なかった場合に有効な方法として確立されています。

自然妊娠では、体内で行われる受精の過程を医療技術によって体外で再現する点が大きな特徴です。受精卵は培養器の中で数日間育てられ、発育の状態を確認したうえで子宮内に移植されます。この一連の流れを通して、妊娠の可能性を高めることを目的としています。

体外受精の特徴

体外受精の特徴は、受精の過程を医療者が直接確認できる点にあります。卵子と精子が実際に受精したかどうか、受精卵がどのように分割しているかを観察できるため、妊娠に至るまでの各段階を可視化できます。これにより、受精障害や胚発育不良などの問題点を把握しやすくなります。

また、凍結保存技術の進歩により、余剰胚を将来の移植に備えて保存できる点も重要です。これにより、毎回採卵を行わずに移植のみを行うことが可能となり、身体的負担の軽減につながります。一方で、ホルモン刺激や採卵といった侵襲的手技を伴うため、一定の負担が生じる点も理解しておく必要があります。

体外受精の方法

体外受精は排卵誘発から始まります。複数の卵子を育てるためにホルモン注射を用いて卵巣を刺激し、卵胞の発育を超音波検査で確認します。十分に成熟した段階で採卵を行い、静脈麻酔下で腟から細い針を用いて卵子を回収します。

採取した卵子に精子をふりかけて自然受精を促す方法が一般的な体外受精です。受精が確認された胚は数日間培養され、発育段階に応じて子宮内へ移植されます。移植後は黄体ホルモンを補充し、約二週間後に妊娠判定を行います。この一連の流れが一周期の基本的なプロセスです。

体外受精は妊娠率が高い?

体外受精は他の不妊治療と比較して妊娠率が高い傾向にありますが、その数値は年齢や原因によって大きく異なります。一般的に30代前半までは比較的良好な成績が報告されていますが、年齢が上がるにつれて妊娠率は低下します。卵子の質が加齢とともに変化することが主な要因です。

体外受精の対象になる方

体外受精の対象となるのは、卵管閉塞や卵管切除後など、自然な受精が困難な方です。また、人工授精を複数回行っても妊娠に至らない場合や、重度の男性不妊がある場合にも適応となります。子宮内膜症や原因不明不妊のケースでも選択されることがあります。

女性の年齢が高く、時間的猶予が限られている場合にも、早期に体外受精を検討することがあります。ただし、すべての不妊症例で直ちに選択されるわけではありません。検査結果や治療歴、患者の希望を総合的に判断して適応を決定します。

体外受精のスケジュール(期間・頻度)

体外受精の一周期は、おおよそ一か月程度を要します。月経開始とともに排卵誘発を開始し、約十日前後で採卵、その後数日で胚移植を行います。妊娠判定までは移植後約二週間です。通院は排卵誘発中に数回必要となり、採卵日と移植日は重要な来院日です。

治療を継続する場合、次周期までに一定の休養期間を設けることがあります。凍結胚がある場合には、採卵を行わず移植のみの周期となるため、身体的負担は軽減されます。頻度や間隔は年齢や卵巣の状態、治療反応に応じて個別に調整されます。

体外受精の副作用とリスク

体外受精に伴う代表的な副作用として、卵巣過剰刺激症候群があります。これは排卵誘発によって卵巣が過剰に反応し、腹部膨満や腹水を生じる状態です。重症化すると入院管理が必要となるため、慎重な薬剤調整と経過観察が欠かせません。

また、採卵に伴う出血や感染、移植後の多胎妊娠の可能性もあります。精神的ストレスも見過ごせません。治療の過程で期待と不安が交錯するため、医療者との十分なコミュニケーションと心理的サポートが重要です。リスクを理解したうえで納得して治療を受ける姿勢が求められます。

体外受精は保険適用?

近年、日本では体外受精を含む高度生殖医療に保険が適用されるようになりました。一定の年齢や回数制限などの条件はありますが、経済的負担は以前より軽減されています。具体的な適用範囲は診療報酬制度に基づいて定められています。

ただし、すべての技術や追加検査が保険対象となるわけではありません。先進医療や自費診療となる項目も存在します。そのため、治療開始前に費用の内訳や自己負担額を確認することが重要です。

診療時間

診療時間

  • 休診日日曜・祝日・土曜午後
  • 当院は予約の方を優先して診療しています。
  • 受付時間平日9:25~13:00、14:25〜18:00、土曜9:25~13:00

アクセス

〒112-0001
東京都文京区白山5-36-9 白山麻の実ビル9F
都営三田線「白山」駅 A1出口より 徒歩1分
東京メトロ南北線「本駒込」駅より 徒歩5分
電話番号 050‐3160‐9020